【法務コラム】労働審判手続

平成30年9月13日(木)の事務所内セミナー「知っておきたい!労務管理のポイント2」では、労働時間管理、年次有給休暇、残業代請求対応のポイントについて、お話しさせて頂きました。
ご参加いただいた方々、ありがとうございました。
来年になりますが、私担当のセミナーでは、今後、ハラスメント対応の問題を扱う予定ですので、お時間おありの方は、是非ご参加ください。

最近、元従業員の方から残業代請求をされてしまった会社のご相談・ご依頼を受けることが多いのですが、交渉で解決が難しい場合、訴訟ではなく、労働審判の手続きをとられることが増えている印象です。
今回は、労働審判手続きの特徴と対応について、お伝えします。

労働審判手続きの特徴として、まず、原則として3回以内の期日に審理が完了するという迅速性があります。
つまり、申立から3~4ヶ月内を目安に手続きが終了し、解決することが多いです。
そのため、第1回期日から、申立をした労働者の方、申立をされた会社の担当者・代表者の方も同席した上で、お互いの言い分を発言することになります。
そして、早ければ、第1回期日の最中に、裁判所から、会社が払うべき解決金の金額の提案がなされることになります。
特に、申立をされた会社は、第1回期日までに反論の答弁書を作成したり証拠(陳述書等)を用意する必要がありますので、弁護士へのご依頼もお考えの場合には、裁判所から申立書等が送られて来たら、すぐにご相談いただいた方が良いことになります。

第3回期日までに和解が成立しない場合、裁判所から、解決金の金額等について審判という判断がなされることもあります。
その場合、当事者双方が異議を申し立てなければ、審判が確定することになりますが、当事者の一方でも異議を申し立てすると、訴訟に移行することになります。
もちろん、審判の内容に納得できない場合には、異議を述べるべきですが、労働審判では、裁判官に加えて、労働者委員・使用者委員が手続きに関与しています。
そのため、労働者側・会社側の双方の視点から見た意見が、審判内容にも反映されており、訴訟に移行しても結論が変わらない場合も少なくないです。
審判に対して異議申立をするかどうかは、訴訟に移行した場合のリスク(残業代であれば付加金を追加で請求されることや審理の長期化による負担等)も考慮した上で、判断する必要があります。

(弁護士 浅倉稔雅)

※この記事は2018年11月にメールマガジンで配信した記事と同じ内容です。

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No タイトル
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6  同族会社の注意点
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