第5回 保証の基本
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第5回保証の基本的事項の注意点
当」 Aでは、 Xに対し、 Xの自宅に抵当権を設定した上、 ABCを連帯保証人として2,000万円の融資を行いました。現在の残高は1,200万円ですが、 Xの事情により半年ほど延滞が続き、返済の見込みがなくなってきました。不動産業者によるXの自宅の査定では「場所がよくないので、なかなか買い手がつかないだろう。価格は600万円程度」とのことでした。
そこで、連帯保証人に事情を説明して、 Xに代わって支払ってもらおうと思い、各保証人宅にお願いに行きました。なお、 Cは2年前に死亡しており、その相続人はDです。 ABDの反応はつぎのようなものでした。
A ▶ 保証人になったのは確かだから最後は支払うが、まず抵当権を設定しているXの自宅を売却して金額を減らしてほしい。それに、私だけでなくBCも保証人になったのだから、私は3分の1の金額を支払えばよいはずだ。
B ▶ 保証人になりたくなかったのだが、 Xからは「200万円の融資であり、迷惑はかけないから」と頼み込まれて保証人になった。それが実は2,000万円だったというのは詐欺であり、私には支払義務はない。
D ▶ 保証人の欄のCの署名は本人の字で、押印も実印だが、保証人になることについて、家族に相談はなかった。 Cの借金なら相続するが、保証人は本人限りで相続しないはずだ。
ABDに対して、どのように対応したらよいのか、困っています。
<解説>
検索の抗弁権の有無
相談者
Aから「Xの自宅を先に売却してほしい」と言われているのですが、売却には時間がかかりそうな
ので、悩んでいます。 Aの注文に応じないといけないのでしょうか?
弁護士
単なる保誠人の場合は、主債拐者で訪るXの財産について先に強制快行するよう發求できる「検索の抗弁権」が認められています(民法四五三条),しかし、連帯保証人の場介は、この権利が認められませんので(同法四五四条)、Aの往文に応じなければならない法的義務はありません。 ただ、「主債務者の財産から回収できる金額は回収して自分の支払う令額を減らしてほしい」という連帯保証人のもっともな気持ちや、抵当権設定不動産をそのままにして連帯保証人に先に支払ってもらうと、代位により抵当権を速帯保証人に移転しなければならない等の問題があります。特に支障がない場合は、主債務者の財産から先に債権回収を行うことか望ましいでしょう。
本事例でも、まずはXの目宅売却について、 Xや保証人と相談すると、その後の保証人との話合いがスムーズにいくかもしれませんね。
分別の利益の有無
相談者
保証人が数名いる場合に、支払金額を人数分で分割するのはどうでしょうか?多少手問がかかりますが、合計すれば全額回収できるので応じても問題はないかと思っているのですが。
弁護士
分割した金額が、確実に全員から支払われるのであれば問題ありませんが、支払えない人がいれば、その釡額は回収できないことになってしまいます。債務を何人かに分割してしまうのは、支払えない入がいた場合のリスクを債権者であるJAが負うことになってしまうということを頭に入れておいてください。
相談者
なるほど。では、債務を分割せずに全額請求することは法的には
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